関係ないと思っていたいくつかの事柄が、ある日突然一つにつながる経験をした。
映画「メッセージ」
僕は映画が好きだ。
若いころはパニック映画やアクション映画など、ド派手な映画が好きだった。
年を重ねて、今ではどちらかというと人間ドラマなどの地味な映画に好みがシフトしつつある。
そんな中、アマゾンプライムでSF映画「メッセージ」を偶然見つけた。
時間がある時に見ようと、ウォッチリストに入れておいたが、しばらく忘れていた。
よく見るYoutubeチャンネル
普段あまりYoutubeは見ないが、定期的にみているチャンネルがある。
「ゆる言語学ラジオ」というチャンネルで最近Podcast Awardも受賞している有名なチャンネル。
僕の知らない言語学の世界を面白おかしく伝えてくれるお勧めのチャンネル。
その番組で、件の「メッセージ」が紹介された。
それを見た瞬間、アマプラのウォッチリストに入れておいたのを思い出した。
紹介文をなんとなく見ただけでウォッチリストに入れていたが、
どうやらこの映画は宇宙から来た未知の生命体と、異なる言語でどうやってコミュニケーションするかが大きなテーマらしく、わりとしっかりとした言語学的考察がなされているらしい。
そんな理由で、ゆる言語学ラジオでも紹介された。
映画を見た
感想は、詳しくはネタバレになるので書かないが、面白かった。
SF作品だけどド派手なCG演出などもなく、僕好みの映画だった。
僕がダントツで好きなSF作品は「コンタクト」だが、この映画は2番目か3番目にランクインするほど気に入った。
アマプラとゆる言語学ラジオが思いもしない点でつながった。
さらに点がつながった。
話は変わって、僕はよくPodcast番組を聞く。
このブログでも何度か紹介したが「いんよう!」という科学コミュニケーション番組が特にお気に入り。
この番組のパーソナリティである曜(よう)先輩とヤンデル先生はともにSF好き。
ある回で、オススメのSF小説の話になった。
そこで紹介されたのがテッド・チャンという中国系アメリカ人のSF作家の短編小説「あなたの人生の物語」。
早速読んでみたところ、驚いた。
この短編小説に収録されている話のうち、表題作になっている「あなたの人生の物語」こそが、他でもない映画「メッセージ」の原作だった。
出勤中、電車の中で読んでいるときに気づいて、あまりの驚きにちょっと声が出た。
少し調べればすぐにつながる情報なのだけど、今回は一切調べていない。
にもかかわらず、こんな形で偶然出会ったことに年甲斐もなく興奮した。
以上のことが、約1週間のうちに立て続けに起こった。
「アマゾンプライム」「ゆる言語学ラジオ」「メッセージ」「テッド・チャン」「いんよう!」
全く別ルートから始まった2つのストーリーが1つにつながった。
その瞬間の、得も言われぬ感覚。
故スティーブジョブズがスタンフォード大学での演説は有名で、その中に「Connecting the dots(点と点をつなぐ)」という名言がある。
調べてみたら少し異なるニュアンスなようだけど、異なる「点」どうしがある日突然一つにつながる瞬間を、思いがけない形で体験することができた。
今の時代、ちょっと調べるだけでどんな情報でも簡単に手に入れられる。
だけど何でもかんでも調べてつなげれば良いというものではなく、いろんなことを体験してく過程で、偶然、点と点がつながる瞬間の感動も大切なのかもしれない。
いや、むしろ今回のように、情報を調べずに偶然のつながりを見つける方が難しい時代になったのかもしれない。
つまり僕は、とても貴重な体験をしたということか。