夫婦円満の秘訣はコミュニケーションにあるというが、
我が家では時々、その秘訣であるコミュニケーションに異常をきたすことがある。
◆生粋の熊本人
僕の妻は熊本県の阿蘇の出身だ。
僕が仕事で福岡に転勤し、熊本県内の得意先を担当していた時に知り合った。
普段、本人はいわゆる標準語のつもりで話しているようだが、わりと頻繁に熊本弁が混じる。
いや、コテコテの熊本弁に時々標準語が混じるといったほうが正しい。
妻いわく「私はけっこうきれいな標準語をしゃべっている」らしいのだけど、そもそも本人が熊本弁だと認識せずに、標準語だと思って使っている言葉がかなりある。
◆熊本弁あれこれ
みなさんは、熊本弁と聞いて思いつくのはどんな言葉遣いだろうか。
代表的なのは、語尾が「~ばい」とか「~けん」になること。
あとは「良い」が「よか」、「だけど」が「だけん」、「~が」が「~ば」など、イメージとしては、より有名な福岡博多弁に似ていると思っていただいて差し支えない。
福岡・熊本両県の方からしたら「全然違う!」と怒られそうだけど、馴染みのない人からしたらあまり違いが分からない。「大阪弁」「河内弁」「和歌山弁」が現地の人からしたら違うのだけど、全国的には「関西弁」と雑にまとめられているようなものだ。
◆3か月に1度は「???」
妻の熊本弁は次の3パターンの時に最もキツくなる。
- 怒っているとき
- 酒を飲んだ時(酔った時)
- 熊本の実家と電話した直後
本人はまったく自覚がないのだが、標準語ユーザーは子供をしかるとき「いたらんこつせんちゃよか!」とは言わない。ちなみにこれは「余計な事しなくていいの!」と言う意味だ。
酒を飲んだ時は「ええくろちたー(酔っぱらってしまった)」と言うし、面倒くさい時は「たいぎゃじえーばい(だいたいでいいわ)」という。あきれた時は「んーなこてんなこてー(まったく、もうみたいな意味)」、子供たちがご飯が食べるのが遅い時は「はよご飯ば食べなっせ!(早くご飯食べなさい!)」だ。
これくらいは日常茶飯事なので僕も娘もいいかげん何を言っているのかわかる。他にも例を挙げれば枚挙にいとまがないが、たいていの熊本弁は理解できるようになった。
しかし、先日結婚して10年目を迎えたにもかかわらず、未だに3カ月に1度くらいは本気で何を言っているのかわからないことがある。
その時は僕も娘も「え、今なんて言った??」とお互いの顔を見合わせる。
妻に聞き返すのだけど、妻もどの部分が聞き取れなかったのか見当もついていない様子で、そんな時は家族全員きょとんである。
まぁ、そんな状態でも10年やってこれたのだから、これからも大丈夫だろう。たぶん。