シンプルライフの服選び ~同じ服を着続けるという「個性」と「変わらない幸せ」~
僕は毎年お正月に高校のプチクラス会を開きます。仲の良かった10数人でただ集まって飲むだけですけど。
そんなクラス会で1人、毎回同じ服で同窓会に来る友達がいます。
チノパンに薄いグレーのシャツ、アウターは厚手のレザージャケット。
年季が入っているので多少ヨレてはいますが、オーソドックスで、シンプルにまとまった小奇麗な格好です。
その友達は決して貧乏で服が買えないわけではありません(むしろ金持ってる方(笑))
決して高価でも安物でもないブランドの服で、去年もたしかその前に会った時も同じ服を着ていました。
というかここ5年くらいその服を着続けている気がします。
それ以外に服を持っていないわけではないですが、特に気に入っているレザージャケットに合う服数枚しか持っていないそうです。
友達曰く「うるせー、これが一番好きなんだよ」
僕はその友達の考え方が大好きです。
たくさんの服を持っていなくても、一着でも自分が本当に気に入っている服があればそれで十分。
服装自体は個性的でなくても、毎回同じ服を着ていると、気づけばそれが彼の個性になっているんです(それ以外の服を着ている彼を見ると、違和感を覚えるほどに)。
僕も今年で32歳。自分を含めたいろんなものがどんどん変わっていく中で、「変わらないもの」に対する喜びとか懐かしさを覚えるようになってきました。
「お前、変わらないな(笑)」という言葉はもはや褒め言葉として捉えるようになり、みんな冗談交じりで「またその服かよ!」と笑ってはいますが、きっとみんなも僕と同じように心の奥底では、変わらない彼の姿を見て小さな幸せを感じているんだと思います。ホントすげーよ。たった一着の服で自分だけじゃなくて他の人まで幸せにしてるんだから。
笑われない為にたくさんの服を持つよりも、本当に心の底から気に入っている服がほんの少しだけあれば十分なんだなぁと、彼に会うたびに思います。
さて、今度のお正月も彼は「いつもの彼のまま」でひょっこり現れるのでしょうか。今から楽しみです。