最近、仕事上のトラブルを抱えていた。
夜中や明け方に目が覚め、不安になって眠れなくなるなど、少々困ったことになった。
そんな僕の対処法について、ささやかながらご紹介する。
◆不安は夜、布団の中で巨大化する
夜、布団の中で不安が頭をよぎった時、日中に比べて気持ちが追いつめられる。
最悪の事態を妄想してしまい、頭の中が不安でいっぱいになる。
自分の頭の中の声が、自分自身を追い詰めていく感覚に陥る。
どうしてそうなるのか、少し考えてみた。
◆暗闇
人は本能的に暗闇を怖がる。
真っ暗な天井を見つめていると、不安がムクムクと肥大化する。
夜の暗闇を味方につけた不安が、調子に乗って暴れまわる。
「虎の威を借る狐」ならぬ「闇の威を借る不安」だ。
◆集中
静まり返った夜の空間で、雑念のないまっさらな頭の中は不安で満たされる。
外からの余計な刺激がないので、意識が不安のみにフォーカスされる。
好ましくない集中が、不安をさらに大きく見せる。
寝なければいけないという焦りも相まって、ますます心をむしばんでいく。
「不安」と「焦り」、奴らはタッグで襲ってくると質が悪い。
◆緩んだ気持ち
布団に入ると気持ちが緩む。
張りつめていた気持ちが緩んだ時、不安が鎌首をもたげてやってくる。
だけど、布団の中まで緊張感を持ち続けるなんてできるわけがない。
気持ちを緩めないと、身も心もボロボロになる。
でも、気持ちを緩めると不安が顔を出す。
◆ある一つの解決策
経験から話すと、夜中に思い悩んで解決したことは全くと言っていいほど、ない。
そればかりか不安で眠れず、寝不足でメンタルをやられて、更に不安を抱える羽目になる。
つまり、夜中に襲ってきた不安は無視するのが最善の道だ。
しかし不安そのものを無視するのは至難の業だ。
静かに耐えたところで、不安が去ってくれることはないに等しい。
その一つの回答が、「外部からの言葉を耳に入れる」ということ。
強い不安を感じているとき、人は「頭の中の自分の声」を聴いているはず。
頭の中の自分が、不安になるようなことをずっとささやいている。
その声を、外から聞こえる別の声でかき消してやればいい。
具体的には、ラジオやポッドキャストを聴く。
聴きながら眠りにつけるような、刺激の弱い番組が好ましい。
音楽でもいいのだけど、その場合はクラシックやBGMではなく、歌詞のある楽曲がいい。
実際に耳に入ってくる言葉に意識を傾けてみると、思っている以上に自分の頭の中の声が聞こえなくなってくる。
枕元にスマートフォンとイヤホンを置いておこう。
不安の声が聞こえたら、お休みタイマーをかけて外部の声に集中しよう。
夜にささやく不安の声は、徹底的に無視しよう。
目が覚めて、日の光を浴びた後の「頭の中の自分の声」は、夜中に聞こえるそれに比べてずいぶんと小さく聞こえる。
対処するのは、それからでじゅうぶんだ。