今年の目標は「自分のために時間を使う」
毎年年始に1年の目標をいくつか決めて、ノートに書いておく。
今年は珍しく正月休みに旅行に行ったりとバタバタしてしまい、正月休みの今日になってもまだ1年の目標を決め切れていなかったりする。
今年の正月休みは6連休だったけど、あっという間に過ぎてしまったなぁなどと考えていると、今年の目標を1つ思いついた。
それがタイトルの「自分のために時間を使う」。
思い起こせば2021年はずっと忙しかった。
プライベートでは2歳になる息子がわんぱく盛りで、1年中家の中はぐっちゃぐちゃ。片付けても片付けても家中いたるところにおもちゃが転がっており、何度ブロック地雷を踏んでもんどりうったことか。ただ、子育てや家族の時間を「無駄だ」と思ったことはない。生意気盛りの8歳の娘でもそうだったが、２～３歳のわんぱく盛りの時期は、その時は大変だと思っていたが、あとになって振り返ってみればかけがえのない時間だったと思うことを僕はもうすでに知っている。
問題は仕事だ。去年は仕事面でいくつか劇的な変化があった。ひとつは大きな得意先を任されたこと。もうひとつは管理職に昇進したこと。といっても部下はおらず、労働組合から外されただけのペーペー管理職だが。
あとひとつはExcel VBAを覚えたこと。これが大きかった。得意先の負担が増えて事務作業の量が急増したが、一時的ではあるもののテレワークが導入されたことで通勤時間が無くなり、勉強する時間が増えた。Excel VBAを覚えたことで毎日結構な時間を費やしていたルーティンの事務作業にかかる時間がほぼゼロになったのはデカかった。あれがなければ去年は仕事面でかなり苦労したに違いない。
事務作業が激減すれば、普通は仕事が楽になるはずだけど、僕は違った。というのも、自分の事務作業の負担がほとんどなくなったことで、部署全体の事務作業の「無駄」が目につくようになった。そこで僕は覚えたExcelの知識を使って、部内の事務作業の軽減に手を出し始めたのだが、これがいけなかった。部内の軽減させるための時間が増えてしまい、結果としてトータルの仕事量は減るどころかちょっと増えた。さらに僕がExcelにある程度明るいことが周囲の部員にバレてしまい（自慢をしているわけではなく、うちの部署のExcelスキルが全体的に低い）、トラブル対応のようなことまでさせられるようになった。さすがに明らかに情シス管轄の内容だと思ったものは断っているが、簡単なものなら対処している。これが直近の小さなストレスだったりする。
管理職なら部署全体のことも考えて動くべきだと思って始めた作業だけど、正直僕自身には何の得もない。部内全体の業務効率化に貢献はできたと思うけど、だからと言って給与やボーナスの査定には直接関係のないことだし、昇進に有利かと言えばそうでもない。そもそもうちの会社のそのあたりの評価基準はあんまり明確でもないし。「会社貢献」と言えば聞こえがいいのかもしれないけど、そもそも僕は転職組だし、悪いが愛社精神なんぞカケラも持ち合わせていない。誘ってもらって入社したとはいえ、僕と会社とは労働契約を結んだ間柄に過ぎない。そして僕に課せられた業務内容は法人営業の担当であって情シスでも営業サポートでもない。
僕自身、覚えたことを使ってみたかったというのもあるし、称賛されるのを期待していなかったといえばうそになる。Excel VBAを知らない人にとって見れば、自動でExcelが作業を進める光景はさながら魔法のように見えただろう。「スゲースゲー」と喝さいを浴びるのも正直悪い気はしなかった。でも、ただそれだけ。皆の作業時間を減らすために、僕は自分の時間を失った。そのおかげで皆が僕に何かを与えてくれたかというと、小さな称賛以外には特に何もない。自分の時間を失ったかわりに得た対価としてはあまりに小さい。ほんと、何やってんだか。
1年365日、1日24時間。
貴賤貧富にかかわらず平等に与えられた時間というものを、今年はもっと大切にすることを意識してみようと思った。
仕事を終わらせた後の残りの時間が僕の時間ではない。
僕自身と僕の家族に最大限の時間を振り分け、残った時間が仕事の時間だ。
